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更新 2026年10月24日

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対策

クマに出会ったらどうする?対処法と人身被害783件から見る注意点

遭遇時にとる行動と、出会わないための備え

クマに出会ったら、まず落ち着き、走らずに距離を取ることが基本です。近くにいる場合は、クマの動きを確認しながらゆっくり後退します。突然、至近距離で遭遇した場合には、頭や顔を守る行動が必要です。この記事では、環境省などの公的資料をもとに対処法を整理し、あわせて当サイトが収集した人身被害783件の記録から、注意したい時間帯や場所を紹介します。

基本の行動
落ち着いて、走らずに距離を取る
至近距離では
頭・首と体の前面を守る
被害が多い時間帯
朝5〜8時台
集計に使った記録
人身被害783件/出没83,484件

クマに出会ったときの対処法

「クマよけには音がいいと聞いたけれど、目の前で大声を出してもいい?」「襲われそうになったら、死んだふりをする?」

聞き覚えのある対策でも、使う場面を間違えると、かえって危ない行動になります。クマを見つけたときは、距離と相手の様子に応じて行動します。まずは、次の違いを押さえてください。

遭遇した状況取るべき行動
遠くにクマがいる近づかない。落ち着いて、静かにその場を離れる
近くにクマがいるクマから目を離さず、ゆっくり下がって距離を取る。背を向けて走らない
突然、至近距離で遭遇した両腕で顔と頭をかばい、すぐにうつ伏せになって急所を守る
子グマを見つけた母グマが近くにいるものとして、近づかずに離れる

とくに至近距離で突然出くわした場面は危険です。環境省の資料も、クマが直接襲いかかるなどの「過激な反応」が起きる可能性が高くなるとしています。

出典:環境省「クマ類の出没対応マニュアル -改定版-」(概要版)/政府広報オンライン「クマに出会わないために。知っておきたい対策」

遠くで見つけたら、近づかない

遠くにクマの姿が見えた段階なら、こちらから距離を詰めないことです。物音を立てないようにして、そのまま離れましょう。

出典:環境省「クマ類の出没対応マニュアル -改定版-」(概要版)

近くにいるときは、走らずに後退する

クマを刺激すると、そのクマが人のほうへ向かってくることがあります。背を向けて走り出すのは、その刺激にあたる行動のひとつです。クマの動きを確認しながら、ゆっくり距離を取りましょう。

逃げ場を探すときは、電柱や木、車といったさえぎるものが自分とクマの間に入る位置へ動きます。車の中、民家、店舗など、身を守れる場所に入れるならそちらへ避難してください。ひとりで何とかしようとせず、周囲の人に声をかけて助けを呼びましょう。

出典:政府広報オンライン「クマに出会わないために。知っておきたい対策」

クマに遭遇したときに、してはいけないこと

驚いた瞬間には、思わず声を上げたり、駆け出したりしそうになります。それでも、政府広報は次のような行動を「絶対にやめてください」としています。

遭遇した場面で、してはいけないこと

どれもクマを刺激する行動です。刺激されたクマが、こちらへ向かってくることがあります。また、食べ物の入った荷物を置いていくと、それを食べたクマが人の食べ物を覚えるきっかけになります。荷物をおとりにすることは、対処法として勧められません。

出典:政府広報オンライン「クマに出会わないために。知っておきたい対策」

音を出すのが有効なのに、大声を出してはいけないのはなぜ?

ポイントは、クマと出会う前なのか、すでに目の前にいるのかという違いです。

鈴やラジオは、歩いている人の存在をあらかじめ知らせ、不意の遭遇を避けるために使います。一方、遭遇してから突然叫ぶと、クマを刺激するおそれがあります。

「音を出せば追い払える」とひとまとめに覚えず、出会う前の備えと、出会った後の対処を分けて考えましょう。

出典:政府広報オンライン「クマに出会わないために。知っておきたい対策」

襲われそうになったら、頭・首と体の前面を守る

「クマに出会ったら死んだふり」という話を聞いたことがあるかもしれません。しかし、クマを見つけたらいつでも寝転べばよい、という意味ではありません。

環境省の資料は、至近距離で突然出くわした場面では顔や頭が狙われやすいとして、そこを両腕でかばい、すぐにうつ伏せになる行動を挙げています。

出典:環境省「クマ類の出没対応マニュアル -改定版-」(概要版)

政府広報は、これを襲われそうになった場合の最終手段と位置づけ、守る場所を3つ示しています。

防御姿勢で守る3か所
  1. うつ伏せになり、顔・胸・お腹を地面側に向ける
  2. 両手の指を組んで、首の後ろから後頭部をかばう
  3. 帽子やフードなど、身に着けているものも頭の保護に役立てる

致命傷を避けるため、首と頭を優先して守ります。手や腕、背中は攻撃を受けます。

出典:政府広報オンライン「クマに出会わないために。知っておきたい対策」

子グマを見つけたら、近づかずにその場を離れる

小さなクマが1頭だけでいると、つい足を止めたくなるかもしれません。けれども、近くの見えないところに母グマがいる可能性があります。

環境省の資料は、子グマが1頭でいるように見える場合でも、母グマがすぐそばにいる可能性が高いと注意しています。親子で行動しているクマに出くわしたときは、母グマが攻撃に出ることが多いとも書かれています。子グマには近づかず、速やかにその場から離れてください。

出典:環境省「クマ類の出没対応マニュアル -改定版-」(概要版)

クマ撃退スプレーは、すぐ使える状態で備える

クマ撃退スプレーは、近距離での遭遇に備える道具です。ただし、購入してリュックにしまっておくだけでは、とっさに使えません。

消費者庁・環境省・国民生活センターは、2026年8月25日に共同のテスト結果を公表しています。製品によって、噴射の届く距離、噴ける時間、量、霧の広がり方、有効成分が違います。使う前に、少なくとも次の点を押さえておきましょう。

備えておくこと

使うのは、クマが目の前に迫っているときです。クマとの距離が5〜10mほどあるうちに、顔をねらって噴きます。届く距離は製品ごとに違うので、手元のスプレーの噴射距離を説明書で確かめておいてください。

出典:消費者庁「クマ撃退スプレーの備え方―事前の確認・準備が必須です―」(2026年8月25日/消費者庁・環境省・国民生活センター)

人身被害783件の記録から見える3つの傾向

対処法とあわせて知っておきたいのが、実際にどのような場面で被害が起きているかです。

当サイトが収集した人身被害の記録は783件、出没記録は83,484件あります。ここでは、そのうち時刻や場所などを確認できた記録を使って、傾向を見ていきます。

※ 以下の数字は、当サイトが収集したデータです。

1.時刻が分かる被害記録363件のうち、34%は朝5〜8時台

まず、出没記録と人身被害の記録を、同じ時間帯で比べてみます。

時間帯出没記録に占める割合人身被害記録に占める割合
朝5〜8時台24%34%
15〜18時台29%19%
集計対象時刻が分かる67,637件時刻が分かる363件

出没記録では15〜18時台の割合が高い一方、人身被害の記録では朝5〜8時台の割合が高くなっています。

「クマに注意するのは、暗くなってから」。そんなイメージだけでは、朝の備えが抜けてしまいます。散歩、犬の散歩、畑仕事、通学。朝に外へ出るときこそ、周辺の出没情報を確認してください。

2.月別の記録数は10月が最多

当サイトの集計では、人身被害は10月が195件で最多でした。出没記録も10月が18,933件と、最も多くなっています。

秋に山へ出かけたり、収穫作業をしたりする予定がある人は、気に留めておきたい数字です。

ただし、これは収集した記録全体を月別にまとめた結果です。地域や年による違いがあるため、今年の予定を判断するときは、その地域の出没情報や注意報を確認してください。

3.場所が分かる被害記録の33%は、住宅地・市街地

被害が起きた場所の種類を確認できた431件の主な内訳は、山林58%、住宅地・市街地33%、農地7%、道路2%でした(このほかに、どれにも分類できないものが1件あります)。

3件に1件は、住宅地や市街地で起きています。クマ対策は、登山やキャンプに行く人だけの話ではありません。山に入らない人も、自宅の周りと通り道を気にしてください。

被害時の行動や年代を確認できた記録では、次の傾向もありました。

確認できた項目集計対象主な内訳
被害時の状況323件山菜・キノコ採り33%、行き帰りの道18%
被害者の年代360件60代以上64%

山菜・キノコ採りと、その行き帰りの道。そして60代以上。この組み合わせが目立ちます。当てはまる人は、音を出す、複数人で行く、出る前に出没情報を見る、の3つを習慣にしてください。

クマに出会わないために、外出前と家の周りでできること

遭遇時の対処法を覚えることは大切です。同時に、出会う機会を減らす備えも欠かせません。

出かける前に、目的地と通り道の情報を確認する

登山口やキャンプ場だけでなく、散歩道、畑、自宅の周辺も確認しましょう。出没が続いている場所では、経路や予定を変え、不要不急の外出を控える判断が必要です。

出典:政府広報オンライン「クマに出会わないために。知っておきたい対策」

当サイトでは、自治体の公表や報道から集めた記録を、日付と市区町村ごとに掲載しています。最新の状況は、元になった自治体の案内もあわせて確認してください。公表や掲載に時間がかかる場合があるため、情報が見つからないことだけを理由に、安全だと判断しないようにしましょう。

最近のクマ出没・被害情報都道府県から探す

各都道府県が出している出没情報は、環境省のページからもたどれます。

出典:環境省「国民向けのクマに関する情報」

山林では、人がいることをあらかじめ知らせる

鈴やラジオで音を出し、できれば複数人で歩きます。ただし、人の生活圏に何度も出ているクマには効かないこともあります。音を持っているから安心とは考えず、物音や足跡にも気を配ってください。

出典:政府広報オンライン「クマに出会わないために。知っておきたい対策」

家の周りに、食べ物や隠れ場所を残さない

クマを引き寄せるのは、食べ物だけではありません。収穫せずに残した果実や屋外の生ゴミに加えて、コンポスト、有機肥料、ペンキなどの塗料、燃料も要因として挙げられています。管理できない果樹は、伐採も含めて考えてください。

また、クマは藪や草むらを伝って動きます。家や畑の周りを刈り払い、見通しをよくしておきましょう。畑や果樹園では電気柵も有効です。設置するときは、ワイヤーの高さや間隔に注意が必要です。

出典:政府広報オンライン「クマに出会わないために。知っておきたい対策」

安全を確保したら、自治体や警察に目撃情報を伝える

クマを目撃したら、まずは自分の安全を確保してください。そのうえで、自治体や管轄の警察署に、分かる範囲で次の情報を伝えます。

出典:政府広報オンライン「クマに出会わないために。知っておきたい対策」

その情報は、周辺への注意喚起や対応に役立ちます。いつもの道を歩く前に出没情報を確認することと、目撃した情報を伝えること。その両方が、次の遭遇を減らす備えになります。

この記事の集計について

人身被害783件と出没83,484件は、当サイトが集めたデータです。自治体と環境省の発表に裏付けのある記録だけを数えていて、1962年以降の分が入っています。ページを作り直すたびに最新の値に入れ替わります。

割合は、その項目が発表されている記録を対象に計算しています。集計対象の件数は、それぞれの表と本文に書いてあります。

正式なデータは、各自治体・環境省の発表をご覧ください。

出典

この記事の書き方について(どこまでが事実で、どこからが筆者の想像か)

対処法は、国が公表している資料の内容です。出典の資料から、場面ごとに整理し直して並べたものです。

数字は当サイトのデータベースから自動で入ります。割合の集計対象の件数は、本文に書いてあります。